SSブログ

庶民の装い「衣食足りて礼節を知る」当時の生活状況に思いをめぐらす・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 作家の澤地久枝さんは沖縄の染め織りを取材し、「染色や多様な素材の発見、織る技法の途方もないようなひろがり、文様の複雑化と、布には長い人間の歴史が秘められている」と記した(新潮社「琉球布紀行」)

 浦添市美術館で来月6日まで開かれている「沖縄庶民の装い」展では、そんな伝統的な染織の一端が分かる。400~500年前の神事装束もあるが、多くは明治から昭和にかけての花織や芭蕉布などの着物だ

 いずれも個人が収集したものというから驚きである。研究者らが、収蔵品800点を数年がかりで調査。今回実行委員会を立ち上げ200点余りの展示にこぎつけた

 「庶民の装い」の名の通り、展示物には琉球王朝の品々の華やかさはない。当時の人々の倹(つま)しい暮らしがうかがえる一方で、文様は自由にして多様。名も知れぬ先人の豊かな想像力が誇らしい

 「衣食足りて礼節を知る」というが「衣」の発展は女性の力によるところが大きい。実行委員で国際服飾学会理事の植木ちか子さんは「女性がどういう気持ちで織ったのか。当時の生活状況に思いをめぐらすことができるはず」と語る

 たてとよこの糸を長い時間かけて丹念に織り上げる。根気のいる作業には、祈りにも似た思いがあろう。裁ちおろしの着物には確かなぬくもりがあったに違いない。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月31日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。