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命の輝き、人の暮らしは多くの動物の命の代償なくしては成り立たない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 石嶺小学校3年生の仲尾星哉君は悲しくて泣いたという。夢中になって育てたカイコの命と引き換えに、まゆから絹糸を取ることになったからだ

 同校では総合学習として、3年生全員が5月からカイコを育てた。クワの葉を与えるうち、まゆになった。糸を取る作業は、まゆを50度前後のお湯に入れるが、カイコはそこで生を終える。子どもたちの小さな心はさまざまに揺れたという

 仲尾君のように、「せっかくまゆまで育てたから絶対、成虫にする」という子もいた。一方、カイコから絹糸を作り出す意味を考え、「限りある命なら、代わりにできる絹を一生大切にしたい」と話す子もいた。純粋な気持ちから出た考えはどちらも正しい

 絹の光沢と柔らかさは人を魅了した。シルクロードというアジアとヨーロッパを結ぶ大動脈ができるほどの価値。カイコという小さな虫に支えられた富と繁栄の歴史がある

 カイコ以外にも、人の暮らしは多くの動物の命の代償なくしては成り立たない。他の動物を犠牲にして生きる厳粛な現実がある。だからこそ、口蹄(こうてい)疫やクロマグロ漁、捕鯨の問題に無関心であってはなるまい

 カイコが健気(けなげ)に作るまゆに、命の輝きを見た石嶺小の3年生。絹糸の光沢から、自然の恵みに感謝し謙虚であることもまた学びとってほしい。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年6月21日 
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