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普天間移設問題という迷宮に入り込み「抑止力」に屈し・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 ギリシャ神話に、迷宮に巣くう人食い猛獣の退治をめぐる「アリアドネの糸」という有名な逸話がある

 舞台となるクレタ島の迷宮は入り込んだら最後。皆、道に迷い、猛獣の餌食となった。事態を見かねた勇敢な王子が猛獣に挑み、見事退治する。最も難しいとされた迷宮からの脱出を手助けしたのが、恋人のアリアドネが与えた糸だった

 糸は迷宮の扉に固定され、王子は猛獣を退治した後、糸をたぐり寄せながらやっとのことで脱出に成功する。この逸話から、難問解決の方法、手引きのことを「アリアドネの糸」とも言う

 この逸話は、現実社会にも通じるようである。きのう退陣を表明した鳩山由紀夫首相も、14年も混迷を続けた普天間移設問題という迷宮に入り込み、解決に意欲を見せたが、出口を見つけ出せないまま力尽きてしまった

 最良の解決策だった「最低でも県外」というアリアドネの糸を手に迷宮に挑んだのが8カ月前。迷走の末、最後は抑止力という正体不明の「猛獣」に屈して、自らの手で糸を切ってしまい、万事休すだったのだろう

 民主党では、ポスト鳩山をめぐる水面下の駆け引きが始まっている。どなたが跡目を継ぐにせよ、鳩山氏が断ち切ったアリアドネの糸を再び紡ぎ、「猛獣」を倒さぬ限り、第2の犠牲者を生むことになる。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年6月3日 
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