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「父の日」それぞれの胸にそれぞれの思いがある日・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 やんばるの海ではしゃぎ、日焼けした夏。奥武山球場で初めて見たプロ野球選手の生の姿。幼少期の忘れられない思い出の場面にはいつも父親がいた

 世界の広さも知らぬ身だったが、自然のありがたさや遊ぶことの楽しさを肌を通して感じた。ただ、多くの子どもは成長し、父親との会話は極端に減り、微妙な距離感ができる

 朝日新聞社発行のエッセー集『娘と息子がつづる おやじのせなか』には、市井の父子関係が紹介されている。生粋の江戸っ子で左官職人の一人息子は家業を継がないことを告げる。カミナリが落ちると踏んだが、おやじはあっさり承諾

 そして言う。「何をめざすも楽な道はネェ!腕を磨け、迷ったらトウチャンを真似(まね)ろ。出世はできねえが人の道を外れる心配はねえ」。息子はこの言葉を忠実に守る人生を送る

 こんな格好良いことが言えるおやじはうらやましい。育児に積極的な「イクメン」にもなれない小生の姿は子どもたちの瞳にどう映っているのか。何を伝えることができるのか。生きざまは都合よく変えられない

 65年前の暑くてつらい戦禍の夏に、父との関係を切り裂かれた人が大勢いる。今も事情があって一緒に暮らせない環境にいる子どもたちもいる。あすは「父の日」。それぞれの胸にそれぞれの思いがある日である。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年6月19日 
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