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普天間移設問題という迷宮に入り込み「抑止力」に屈し・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 ギリシャ神話に、迷宮に巣くう人食い猛獣の退治をめぐる「アリアドネの糸」という有名な逸話がある

 舞台となるクレタ島の迷宮は入り込んだら最後。皆、道に迷い、猛獣の餌食となった。事態を見かねた勇敢な王子が猛獣に挑み、見事退治する。最も難しいとされた迷宮からの脱出を手助けしたのが、恋人のアリアドネが与えた糸だった

 糸は迷宮の扉に固定され、王子は猛獣を退治した後、糸をたぐり寄せながらやっとのことで脱出に成功する。この逸話から、難問解決の方法、手引きのことを「アリアドネの糸」とも言う

 この逸話は、現実社会にも通じるようである。きのう退陣を表明した鳩山由紀夫首相も、14年も混迷を続けた普天間移設問題という迷宮に入り込み、解決に意欲を見せたが、出口を見つけ出せないまま力尽きてしまった

 最良の解決策だった「最低でも県外」というアリアドネの糸を手に迷宮に挑んだのが8カ月前。迷走の末、最後は抑止力という正体不明の「猛獣」に屈して、自らの手で糸を切ってしまい、万事休すだったのだろう

 民主党では、ポスト鳩山をめぐる水面下の駆け引きが始まっている。どなたが跡目を継ぐにせよ、鳩山氏が断ち切ったアリアドネの糸を再び紡ぎ、「猛獣」を倒さぬ限り、第2の犠牲者を生むことになる。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年6月3日 
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発光ダイオード(LED)式の電球が静かに市場を広げている・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 エジソンが白熱電球を発明して130年余の今年、国内大手メーカーがその電球の生産を止めた。電力消費の多さから政府が進める地球温暖化対策のため数年後には市場から消える運命だ

 沖縄での登場は明治末期の那覇市辻町。「田舎から腰弁当を持ってそれを見物に来た」(沖縄事始め・世相史事典)ようで、当時の電気工は魔術を使うと人気を集め、琉歌にも詠まれた

 裸電球のぬくもりに思い出を重ねる世代にはさびしい話だが、時代は移り、今や発光ダイオード(LED)式の電球が静かに市場を広げている。消費電力が少なく、寿命が長いのが特徴で「10年間交換要らず」の商品もある

 ただ、LED電球は1個2000円台とまだ高額で、売り上げは照明機器全体の1割程度にとどまるそうだ。エコポイントの交換制度を追い風に、交換の手間が省けると、高齢者世帯に販売攻勢をかける

 照明界の新人ながら、航路標識や信号機には早くからLEDが導入された。灯台の明かりやブイなどの標識は20年前から交換、現在95%がLED化した。信号機も車両用3割、歩行者用2割にのぼる

 さて日本の政界は時代が変わっても政治の中身が向上する気配が乏しい。明るい次代を照らせる政界のニューフェースはどう生み出すのだろうか。有権者の責任を感じる。(上間正敦)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年6月2日 
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世界禁煙デー 大きな財源 大幅に落ち込まない程度に値上げを続け・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 たばこが増税されるたびに喫煙者の間では「いくらまで上がったらやめるか」という話題になる。10月から一箱当たり110~140円の大幅値上げとなるから、なおさらだ

 たばこの価格引き上げが需要削減に効果があることは実証されている。世界銀行の報告書によると、価格を10%上げると喫煙者が高所得の国で4%、中・低所得の国では8%減るとしている

 たばこは、国にとって大きな財源でもある。世界銀行の試算でいうと、小幅な値上げなら税収は上がる計算だ。需要が大幅に落ち込まない程度に値上げを続け、税収を確保してきた経緯がある

 値上げの目的が喫煙者を減らすためなのか、税収を上げるためなのかが分かりにくい。喫煙者にとっては、国にいいようにコントロールされているような気がしないでもない

 きのうは世界禁煙デー。インドネシアの2歳の幼児がたばこを吸う映像が海外メディアを通じて流され、慣れた手つきで煙をくゆらす姿に衝撃を受けた。インドネシアでの一箱の平均価格は54円。手に入れやすい環境も子供の喫煙の多さにつながっている

 10月の大幅値上げで、日本たばこ産業は年間販売量を25%減と見込む。どんな商品でも値上げを喜ぶ消費者はいないが、禁煙への後押しとみれば、そう悪いことでもなさそうだ。(浜元克年)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年6月1日 
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庶民の装い「衣食足りて礼節を知る」当時の生活状況に思いをめぐらす・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 作家の澤地久枝さんは沖縄の染め織りを取材し、「染色や多様な素材の発見、織る技法の途方もないようなひろがり、文様の複雑化と、布には長い人間の歴史が秘められている」と記した(新潮社「琉球布紀行」)

 浦添市美術館で来月6日まで開かれている「沖縄庶民の装い」展では、そんな伝統的な染織の一端が分かる。400~500年前の神事装束もあるが、多くは明治から昭和にかけての花織や芭蕉布などの着物だ

 いずれも個人が収集したものというから驚きである。研究者らが、収蔵品800点を数年がかりで調査。今回実行委員会を立ち上げ200点余りの展示にこぎつけた

 「庶民の装い」の名の通り、展示物には琉球王朝の品々の華やかさはない。当時の人々の倹(つま)しい暮らしがうかがえる一方で、文様は自由にして多様。名も知れぬ先人の豊かな想像力が誇らしい

 「衣食足りて礼節を知る」というが「衣」の発展は女性の力によるところが大きい。実行委員で国際服飾学会理事の植木ちか子さんは「女性がどういう気持ちで織ったのか。当時の生活状況に思いをめぐらすことができるはず」と語る

 たてとよこの糸を長い時間かけて丹念に織り上げる。根気のいる作業には、祈りにも似た思いがあろう。裁ちおろしの着物には確かなぬくもりがあったに違いない。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月31日 
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結局は辺野古回帰、政治家の言葉がむなしく響く、希望の火が消え・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 マイクを前にその表情は、どこか吹っ切れたように見えた。「私は今日、罷免されました」と語る口調もさばさばとしていた

 米軍普天間飛行場の移設先を辺野古周辺とする閣議決定の署名に、最後まで応じなかった社民党党首の福島瑞穂さん。党内では拒否への慎重論も根強かったと伝えられているが、自身の信念を貫いた

 福島さんといえば、もともと人権派の弁護士として知られる。夫婦別姓などの問題に取り組み、自身も事実婚の形のまま、子を産み育てたことは有名だ。プライベートでも自らの信念を通した

 失礼ながら、消費者行政担当相としての実績は、これといって思い浮かばない。普天間移設の問題にしても閣内にいながら結局は辺野古回帰を止められず沖縄にとって「屈辱の日」を迎えることに。責任は重いが最後に存在感を示し得た

 「沖縄を裏切ることはできない。これ以上沖縄に負担を押しつけることに加担はできない」。政府の決断に失望と怒りが渦巻く県内で今、これほど勇気づけられる言葉はない。ただし、今は、政治家の言葉がむなしく響くのも事実

 「政治は人々に希望を与えるのが仕事である」と昨年出した著書で述べている。ならば、風前のともしびの状態となった県民の希望の火が消えぬよう、全力を尽くしてほしい。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月30日 
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子どもの「ごっこ」は夢ではなく、実現への第一歩・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 そのかばんを持てば事件現場へ勝手に連れて行ってくれ、記事も写真もボタン一つ。「新聞社ごっこセット」は、ドラえもんの四次元ポケットから飛び出した道具

 周りに暴力を振るうジャイアンの決定的瞬間をとらえようとしたのび太くん。ただ、ジャイアンはその日に限っておとなしく、しつこくつけ回すのび太くんが最後に捕まり痛い目にあうオチだ

 22世紀からやってきたドラえもんの道具は1700近くもあるという。国立大名誉教授が調べた。人間の成長や夢という根本を表現する漫画に興味を持ち、インターネット上に「ドラペディア」なる百科事典を公開した

 「空飛ぶ切手」は手紙にはるとすぐに届くが、今や電子メールは世界を一瞬で結ぶ。実現に近づく道具が少なくない。子どもの「ごっこ」は夢ではなく、実現への第一歩だということ

 一方、こちらの「政権ごっこ」は県民から夢も希望も奪い取るだけのいただけないオチだった。普天間飛行場移設の日米共同声明は、前政権までの合意をほぼ踏襲。まるで「アンキ(暗記)パン」にして食べたのかと疑う

 今更だが、どんな意志薄弱な人も決心を貫く「ケッシンコンクリート」が現実化していればと。もちろん、県民の怒りを吸い取る「感情エネルギーボンベ」の開発も無理ですよ、鳩山さん。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月29日 
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天下り「官僚OB」いかに上前をはねるかの算段・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 忌野清志郎さん率いるロックバンドRCサクセションのデビューは1970年。ベトナム戦争や大阪万博などの特需にわき、68年に国民総生産が資本主義陣営2位になるなど、日本が高度成長を続けていたころだ

 「宝くじは買わない/だって僕には愛してくれる人がいるからさ/どんなにお金があったって/今より幸せになれるはずがない」。デビュー曲「宝くじは買わない」は社会の空気、風潮に決して迎合しなかった彼の原点といえる

 68年に1000万円だった宝くじの1等賞金は、99年から前後賞を合わせると最高3億円となり、庶民の夢はさらに膨らんだ。2008年度の売り上げは1兆420億円にも上る

 政府の行政刷新会議の事業仕分けでは、宝くじ当選金を引いた額の一部が、官僚OBが天下っている多くの法人に流れ、年2000万円前後の報酬や退職金として消えている実態が指摘された

 宝くじに限らず、これまでの事業仕分けでは、法人を渡り歩き、報酬と退職金で総額3億円を超す大金を得ている人が少なくないことも明らかになっている

 法と票と金、この国の仕組みを知り尽くした優秀な頭脳は「公益」の名の下、いかに上前をはねるかの算段に使われている。清志郎が生きていたら、今の日本をどんなふうに歌っただろう。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月28日 
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甘い言葉で喜ばせて期待させるが、土壇場にはあっさりと・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 米国の風刺家、A・ビアスの代表作に「悪魔の辞典」がある。物事を皮肉たっぷりに解説した警句集だ

 【夫】食事が終わると、皿のあと片づけを命じられる人【外交】祖国のために偽りを言う愛国的な行為。100年前の著作ながら、本質を巧みに突く毒気のある解説は今も色あせていない

 ビアスが健在ならば、どう皮肉っただろうか。鳩山首相が「最低でも県外」の公約を掲げて迷走した揚げ句、「抑止力」を理由に、元の辺野古に戻った普天間移設問題のことである

 本家に倣って、駄作ながら私家版「辞典」で読み説くと次のようになる。【選挙公約】票につながるが、選挙後は破ってもいい約束のこと。追及されれば、「個人的な思いだった」と言い逃れることもできる

 【日本外交】負担軽減を求める自国民の訴えには背を向け、相手国には要求以上に譲歩してしまう稚拙な技術【抑止力】根拠に乏しい軍事用語で、優柔不断な政治リーダーを丸め込むための常套句(じょうとうく)。県外移設をさせないための便利な言い訳

 【友愛政治】困っている人に手を差しのべ、甘い言葉で喜ばせて期待させるが、土壇場にはあっさりと裏切る行為【普天間代替施設】地元に金になると錯覚させ、100年後も沖縄を事件事故の絶えない「基地の島」に固定化する大型ハコ物。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月27日 
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