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「政府は平気で嘘をつく」国民の不信感を増幅させることが「国益」を損ねる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 古代ギリシャの哲学者・プラトンは著書「国家」にこう書いている。「国の支配者だけは、国民や敵に対して有益なら、偽りを言うべきだ」

 まさか、日本政府は、この先人の言葉を鵜のみにしたわけではあるまい。だが、沖縄返還をめぐる日米密約の存在を否定し続ける姿を見ると、そう疑いたくもなる。遠い絶対君主の時代ならいざしらず、国民の知る権利が保障された民主国家である

 本来、密約は発覚した時点でその意味を失う。既に、密約を裏付ける米側文書は公開され、当事者だった元外務省高官も密約の存在を認めている。それを否定するとなれば、「嘘」をつくことになる

 外交交渉の秘密事を表に出せば、政府は「国益」を損なうと口にしてきた。だが、秘密の中身が公になった以上、嘘をついてまで守る「国益」とは、一体、誰のためのものかと首をかしげる

 政府の嘘をただすため、学者らが密約文書の非開示決定の取り消しを求める訴訟を起こした。原告側は「この国の民主主義を問う」と、政府の姿勢を司法の場で追及していくという

 今回も政府は「密約はない」と従来通りの見解を繰り返すのだろうか。「政府は平気で嘘をつく」。国民の不信感を増幅させることが、「国益」を損ねる最たるものだと、そろそろ気付くべきだ。(稲嶺幸弘)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月19日 
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「移動と表現」芸術、美術、その前に立っても何の感慨も覚えない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「動かないとネタはつかめない」。ある日の局内会議でそんな言葉が出た。自ら体を移動させないとひらめきも出ないと

 いま、県立博物館・美術館で開かれている同館開館1周年記念展「移動と表現」は美術や美術家にとって移動という行為がどんな意味を持つのかをテーマにしたユニークな展覧会だ。会期も終盤だが、どうしても触れたい作家がいる

 会場出口近くにさりげなく作品が展示されている河原温という作家。あまり話題になっていないが、実は世界的な美術家で県内で見られるのはこれが初めて。今後もそう機会は多くなさそうだ

 話題にならないのは、作品の性格にもよるのだろう。いわゆるコンセプチュアル・アート(概念芸術)と呼ばれるもので、この手の作品が県内で展示されるのもそうあることではない。ただ、手に負えない難解さが特徴ともいえるのだ

 デイト・ペインティング(日付絵画)と呼ばれる作品。画面には何年何月何日と日付が書かれているだけ。その前に立っても何の感慨も覚えないのが普通だろう。でもそこに大きな企みがある

 画面から余計なものをそぎ落とし、テーマそのものさえ無にしてしまう。作家自身もほとんど表に出ない。それでも確実に人間存在が感じられる。現代美術の極致を見ておくいい機会だ。29日まで。(真久田巧)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月18日 
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人間ドラマが詰まっている「ものづくり」が輝いてみえる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 1979年に発売され、世界的なヒット商品となったソニーの「ウォークマン」。初代の機種は、再生専用機だったため社内外で否定的な見方が多かった(同社のホームページより)

 最初の1カ月で売れたのは3000台程度。そこで社員らが考えた作戦が、人目に触れさせ、聴いてもらうことだった。ウォークマンを付けて山手線の電車に乗り込み、休日には新宿や銀座などに繰り出した

 通行人にヘッドホンを差し出し「ちょっと聴いてみませんか」。大学の文化祭に出向いたり、有名人に使ってもらった。評判は若者を中心に浸透、その後は爆発的なヒットとなった

 ものづくり、特にヒット商品にまつわるエピソードは興味深い。開発のきっかけから商品化、さらに消費者に認知され、人気を得るまでの過程には、さまざまな人間ドラマが詰まっている

 本紙経済面で14日付からスタートした連載「逸品開発モノ語り」も、ものづくりにかける県内企業のヒューマンストーリーだ。初回は沖縄ポッカコーポレーションの「さんぴん茶」を取り上げた。県民になじみの商品だが、開発からヒットに至るまでには険しい道のりがあった

 金融市場の混乱が実体経済に波及した今の不況。その中で原点であるものづくりが輝いてみえる。人の肌のぬくもりや汗が尊い。(久高将己)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月17日 
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「背に腹は代えられぬ」断水は自然災害と同じ。造成依頼は緊急避難的措置・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 差し迫った事態で小さなことには構ってはおれない、という意味の慣用句に「背に腹は代えられぬ」がある。仲村三雄座間味村長の立場がまさにそれに近いと思う

 渇水で座間味島は今も制限給水が続く。一方で観光客は増え、水需要は増す。ダム建設で対応したいが、厳しい財政事情がそれを許さない。首長の責務である住民生活安定のため、自衛隊に援助を求めることにした

 仲村村長が陸自に座間味島への貯水池造成依頼を決めた思いは想像に難くない。自衛隊法100条の1「土木工事等の受託」が根拠で「訓練の目的に適合する場合」が条件とされている

 工事をすぐに「宣撫工作だ」と、決めつけるつもりはないが、素朴な疑問として自衛隊の仕事って何なんだろうと考えてしまう。民生支援の名の下に活動範囲は広がるばかりだ

 水不足への対応はインフラ整備に属する。その対処は村だけでなく、国や県がしっかりと責任を持つべきなのは言うまでもない。今回、離島の渇水対策を怠ってきたつけが回ってきたとの見方もできる

 本紙の取材に仲村村長は「断水は自然災害と同じ。造成依頼は緊急避難的措置」と答えている。だったらなおさら国、県の出番だ。自衛隊もいろいろ詮索されるのは迷惑だろう。村長ばかりに苦しい選択を強いてはならないはずだ。(崎浜秀也)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月16日 
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予算が脹らむ社会保障、貧困社会に入った今、「新しい社会システムをつくる」責任がある・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 中流社会にどっぷり漬かってきた団塊世代。貧困社会に入った今、消費社会研究家の三浦展さんは「中流社会を崩壊させる世代」でもあるから「新しい社会システムをつくる」責任があると手厳しい(『団塊世代の戦後史』)

 今月末に定年退職する那覇市の団塊職員ら有志は、生活保護を申請してから保護費を受け取るまでの「つなぎ資金」として、困窮者へ一時的にお金を貸し付ける基金をつくった。昨年の宜野湾市に続くものだ

 ほぼ40年の公務員生活で、いまの制度のすき間を痛感したのが生活保護だったに違いない。目の前にきょうのお昼代に困る人がいたとしても、保護費をもらうまでに2週間~1カ月もかかるのだから

 裏を返せば、退職記念のささやかな志は制度の欠陥を端的に示す苦肉の策で、緊急避難的だ。この動きが広がれば抜本的な制度改正の必要性も証明される

 生活保護は、これまでも家電の購入や貯蓄などが厳しく制限され、地域性や今の時代に乗り遅れた、がんじがらめの制度だという指摘がある。今後、景気が回復しても受給者の減少は見通せない

 生きるための最後の砦だからこそ、現実社会に合う制度と予算が必要になる社会保障。三浦さんがいう「新しいシステムをつくる」パワーアップした団塊世代の登場を期待したい。(与那嶺一枝)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月15日 
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「勝利こそ」琉球キングス首位を突っ走り、プレーオフ進出も一番乗り・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「お前はキングスか!」。高校生のバスケ会場に怒鳴り声が響いた。bjリーグで琉球キングスが低迷していたころのこと

 声の主は、県内の高校バスケ界で常勝チームを率いる有名な監督である。何に怒ったのかは見えなかったが、教えたはずの基本をおろそかにし、格好をつけてプレーをした選手をとがめたであろうことは、指導歴から推測できる

 ところで今シーズン、そのキングスは首位を突っ走り、プレーオフ進出も一番乗りで決めた。試合を見に会場へ足を運んだら、すごい盛り上がり。プロ競技は勝利こそが最大の集客効果につながる

 コートの内外を問わず、一番のスターは司令塔の澤岻直人だ。2メートルを超す外国人選手をスルリとかわして決めるレイアップシュートはNBAクラス。兄の安史がシューターとして加わり、澤岻兄弟の連係プレーにも注目が集まる

 2人とも名ガードを輩出したコザ中学校出身だ。桶谷大ヘッドコーチは同校のカラーを「自由な発想と独特のリズムがある。シュートを半テンポずらすなど、見せるバスケに欠かせない」と評する

 会場で驚いたのは、ウオームアップが中高校生とほぼ同じメニューだったこと。基本はしっかり踏まえている。コート上ではさらに魅せる、沸かせる、かっこいいプレーを随所に見せてほしい。(山城興朝)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月14日 
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人間の尊厳の回復「医療費抑制策」リハビリ180日で回復しなかったら・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「あの日を境にしてすべてが変わってしまった。私の人生も、生きる目的も、喜びも、悲しみも、みんなその前とは違ってしまった」。多田富雄さんの『寡黙なる巨人』の冒頭の一文だ

 世界的な免疫学者があの日と呼ぶのは、脳梗塞で倒れた2001年のこと。死線をさまよい、右半身まひとなり、言葉を失った。唾を飲み込むことさえできず、よだれが止まらない。暇さえあれば死ぬことばかり考えていた

 それがリハビリを始めてから徐々に変わっていったのだという。左手でパソコンが打てるようになると、文章を書いて社会参加できる希望が生まれた

 回復に向けて努力するさなかの06年、厚生労働省が打ち出したリハビリの日数制限が、多田さんの身に降りかかる。以来、新聞投稿などを通し医療の問題を告発し続ける

 医者から患者の側になって見えた現実だったのだろう。「180日で回復しなかったら死ねというのも同じ」「リハビリは単なる機能回復ではない。人間の尊厳の回復である」と国の政策を厳しく批判する

 今、医療現場では、療養病床の削減、後期高齢者医療制度などさまざまな改革が進む。問題は、それら政策が医学的な観点からではなく、医療費抑制策として進められていること。必要な医療によって生じた赤字を無駄とは呼ばない。(森田美奈子)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月13日 
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「忘」心が亡ぶ「記憶にない」政治家、役人が嘘を隠す時に使う・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心のかなしさよ」。名作ドラマ『君の名は』の冒頭に流れるナレーションの一節だ

 忘れるということは、心に誓ってできるものではない。失恋の時と同じで、忘れようと思うほど、逆に記憶は蘇る。「意思ではなくて、時が恋を終わらせる」(ローマの劇作家P・シルス)のだろう

 でも、そのお方は自らの発言をいとも簡単にお忘れになったらしい。違法献金事件に関し、記者団とのオフレコ懇談で「自民党に捜査は及ばない」と発言した政府高官として報じられ、「君の名は」との野党の追及に政府が名を明かした漆間巌官房副長官のことだ

 発言を認めると、民主党が指摘する「国策捜査」との疑念を深めることになる。一般論だったと弁解しても、政党名を挙げたとなれば、高官として軽率とのそしりは免れまい

 そこで、漆間氏は「忘れた」ではなく、「記憶にない」との言葉で火の粉を払おうと必死だ。記者団との間で「言った」「記憶にない」との水掛け論が続くが、真実は一つである

 『悪魔の辞典』を書いた米国の風刺家A・ビアス(故人)なら、「記憶にない」との言葉をこう皮肉るだろう。「政治家、役人が嘘を隠す時に使う常套句」と。「忘」という字は、心が「亡(ほろ)ぶ」とも読める。(稲嶺幸弘)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月12日 
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知られざる沖縄の窯業史「壺屋焼近代百年のあゆみ」・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 変わる壺屋焼の概念、知られざる沖縄の窯業史―。その展覧会をキャッチコピー風に総括するならこんな具合になろうか

 那覇市壺屋焼物博物館で開催されている同館開館10周年記念特別展「壺屋焼近代百年のあゆみ」。貴重な赤絵の作品が15点も展示されているのが話題。でもそれ以上に衝撃的なのは「これが沖縄の焼き物?」と思う作品が多いことだ

 県工業指導所試作品「芭蕉文蓋物」「ハイビスカス文蓋物」「パパイヤ型壺」などがそれ。戦前、同指導所窯業部初代主任だった金澤武雄(1891~1976)の指導によるものとみられる

 今回の企画展のため学芸員が熊本の金澤家からお借りした物で、これが実に80年ぶりの里帰りということだ。その斬新なデザインに驚かされる。それは島袋常格、島袋常孝といった陶工に継承され、現在もその薫陶を受けた人がいる

 同指導所では、漆器で有名な生駒弘がいるが、金澤についてはあまり知られていない。幻の“紅房の時代”があったと以前この欄で書いたが、同様に陶芸で“金澤の時代”が確実にあったのだ

 では、なぜこのような斬新な焼き物が普及しなかったのか。そこに近代化路線と民芸運動の相克があったことを想像する。今回の企画展は、こうした沖縄窯業史の陰の部分に光をあてる。15日まで。(真久田巧)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月11日 
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お金では測れない心の満足度「体感年収」生き方も見直しが迫られている・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「体感年収」なる言葉が「アエラ」(3月9日号)に載っていた。先の見えない不況で年収アップは期待できない。ならば発想を変えて、お金では測れない心の満足度を上げようという考え方だ

 例えば残業が減れば、趣味や勉強など好きなことに時間を使えるようになる。早めに帰宅すれば、家族と夕食のテーブルを囲むことができる。地域社会に目を向けるきっかけになるかもしれない

 かつて、堺屋太一氏が著書「知価革命」で工業社会から知価社会への移行を予見した。確かにこの20年ほどの間にIT化は急速に進み、社会は一変した。ビジネスの世界も、コンピューターを駆使したソフト産業が台頭してきた

 一方で知価社会はめまぐるしい変化とスピードで多くの既成観念も変えてしまったように思う。効率は極限まで突き詰められ、限りないコストの削減は生産現場の空洞化や、非正規社員の増大をもたらした

 「この危機は文明の転換期」という見方もあるようだ。効率やお金に偏重した社会のあり方や個人の生き方も見直しが迫られているのだろうか。考えさせられる

 世界不況を招いた米金融危機もある意味で知価の暴走だった。本来なら豊かさをもたらす道具も使い方を誤ると危うい。残業を減らし、豊かな生き方についてじっくり考えてみたい。(久高将己)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月10日 
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