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公的医療「やればできる」透明性の高い意見交換と信頼・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 本紙主催のシンポジウム「県立病院の『あり方』を語ろう!」で講演した徳島県病院局病院事業管理者の塩谷泰一さんは、病院再建請負人だ

 香川県の市立病院は院長として赴任した直後に自治省から病院廃止勧告を受けるほどだったが、わずか2年で黒字に導いた。現職にあっては沖縄と同じ地方公営企業法全部適用(全適)の下で全国で唯一、2年連続の黒字を維持している

 シンポでは沖縄の県立6病院が独立行政法人化に向かっていることに、公的医療後退を懸念する声が出た。塩谷さんも「赤字は罪悪ですか」と問い「住民が納得する胸を張れる赤字なら構わない」

 さすがに病院経営のプロだ。主張するだけではない。謙虚な反省を身内に求め、奉仕者としての公務員の心意気をくすぐることも忘れない。知事を度々、病院に招き、職員のモチベーション維持に活用した

 徳島の県立病院職員定数の140人増も決まった。トップ(知事)との、透明性の高い意見交換と信頼がこれを可能にした。「(相互信頼があれば)全適でも独法化でもええんです」の言葉には自信がみなぎっていた

 「やればできる」。塩谷さんの言葉には実践者、請負人としての重みがあった。単なる精神論ではない。沖縄の皆さん、このままでええんですか? そう呼び掛けているように思えた。(崎浜秀也)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月30日 
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

「空中かちあい弾」ミサイル防衛、空中で弾と弾が激突し迎撃・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「越すに越されぬ田原坂」と歌われた熊本県の田原坂資料館を訪ねたときのこと。「空中かちあい弾」にはわが目を疑った

 空中で弾と弾が激突し、ひしゃげてくっつき、ひと塊になったのが数個展示されている。日本最大の内戦とされる西南戦争の最激戦地だ。官軍だけで1日32万発もの銃弾を撃ち、17昼夜にわたった戦の激しさを物語る物証である

 一見あり得ない話だが、両陣営がにらみ合って銃を撃ちまくれば、弾の空中衝突もあり得ないことはない。だが「ピストルの弾をピストルで撃ち落とす」となれば話は別で、ほとんど不可能に近い

 それほど難しいことなんだと、自国のミサイル防衛(MD)システムの不十分さを「ピストルの弾を撃ち落とす」と例えて言ったのは日本の政府高官だ。あとで麻生首相に厳しく叱責されたようだが、つい漏らした本音であろう

 北朝鮮が「人工衛星」を打ち上げる名目で発射する「テポドン2号」が、失敗して日本の領土に落ちてきたら迎撃は可能か―と、議論がかまびすしい。実際は2段階の迎撃も技術的に困難なようだ

 脅威論が軍拡につながるのは納得できない。かといって物騒なものを飛ばす無神経さも許せない。ここは関係国の圧力で発射を断念させ、天が落ちることを憂えた故事の「杞憂」に終わらせたい。(山城興朝)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月28日 
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「うりづんの季節」巣立ちの日泣き顔さえも美しい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 ゴスペラーズの村上てつやが作り、夏川りみが歌う「シマダチ」は、島に高校がないため中学校卒業と同時に親や友達と別れなくてはならない「島立ち」をテーマにした曲だ

 進学や就職で島を後にする生徒たち。もう戻ってこないかもしれない離島の現実を前に「離れ離れ」という言葉が重く響く。「初めて昨日が愛しく思えた」という歌詞が心に染みる

 県内でもたくさんの15歳が「島立ち」しようとしている。5人が巣立った阿嘉中学校では、卒業式の後、校庭にヒカンザクラの苗木を植えた。成長して花を咲かせるころに集まって花見ができたら、との願いを込めて

 渡嘉敷中学校の卒業式では両親からのメッセージが紹介され、卒業生は目に涙をためた。座間味中学校では「島での思い出を宝に」と別れの言葉があった。式は島挙げてのイベントで、地域の人たちも参加し門出を祝った

 今春、泊高校を卒業し看護師を目指す仲里絵里香さんが、卒業式を前に詠んだ句がある。「巣立ちの日泣き顔さえも美しい」。次のステージに立つために流す涙は、キラキラと輝いているのだろう

 大地が潤ううりづんの季節。柔らかな日差しが、気持ちを明るくしてくれる。新しい出会いは、すぐそこまで来ている。真っすぐな心と伸びやかな感性で夢の扉を開いてほしい。(森田美奈子)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月27日 
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「スーパースター」ひと振りで日本中に元気を与えてくれる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「打てぬ日もあるイチローを好きになり」。数年前のサラリーマン川柳に、こんな作品があった

 あの天才にだってスランプに陥る時がある。凡人のおれが不調だとくよくよしてどうする。凡打を重ねる天才の姿は時に、悩めるサラリーマンたちを励ましてくれたこともあったのだろう

 今回は、テレビの前で、打てぬイチローにため息をつき、首を振った方が多かったに違いない。おととい幕を閉じた第2回WBCでは、予選から不振にあえぐ天才の悩める姿に日本中が気をもんできた

 昨季まで8年連続200本安打の大リーグタイ記録を達成した世界屈指の安打製造機。3年前の第1回大会では全試合で安打をマークしている。そんな彼にとっても、一身に背負った期待は相当な重圧にもなっていたはずだ

 でも、そのまま終わらないのが天才と呼ばれるゆえんなのだろう。宿敵・韓国との決勝戦。延長十回に放ったセンター前ヒットは日本に2連覇をもたらした。テレビの前で手をたたいた歓喜の感触は、勇姿とともに記憶に刻みこみたい

 「神が降りてきました」。決勝打を振り返る顔は野球少年のようだった。不調な時だって人々を勇気づけ、そして、ひと振りで日本中に元気を与えてくれる。そんな彼こそ、正真正銘のスーパースターと呼ぶのだろう。(稲嶺幸弘)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月26日 
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「沖展」デジタル処理など技術革新に伴って芸術表現にもさまざまな変化・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 沖展が始まった。平日でも大勢の参観者でにぎわっている。ことしはどんな発見があるか。開幕前日、会場へ足を運んだ

 飾り付け作業の最中、入り口入って正面の壁に展示された池原優子さんの準会員賞受賞作「終わりと始まりの場所」の前で会員の先生方が数人集まり何やら話している。ついつい首を突っ込んでしまったら、これが面白い議論なのだ

 雲間に吸い込まれそうな乳白色の画面。作者の心象風景を作品化したものか。議論はその手法。「手がきの原画をコンピューター処理、拡大プリントしたのではないか」と。ルーペで見る人も

 「デジタルが出始め、それが作品にも影響している」。写真の部の会員がここ数年の変化を話してくれた。なるほど、今回もそうした作品が見かけられる。カメラで撮るだけでなくそれをパソコンで処理するという作業をしていると

 つまり実際には撮影していない物でも取り込めるし、消去することもできる。ここまで来ると、一体写真とは何かという定義さえ考え直さなくてはならない。審査する側の新しい悩みなのだと

 絵画と写真の違いとは何か。分ける必要があるのか。技術革新に伴って芸術表現にもさまざまな変化が現れている。61回を迎えた沖展。人間でいえば還暦を超え、新時代への対応を迫られている。(真久田巧)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月25日 
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グローバル資本主義は格差を拡大し、地球環境を汚染する「モンスター」・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 このところ、経済論壇が活況を呈している。とりわけリーマン・ショック以後の世界同時不況を受け、市場原理のみに経済を委ねる危険性を指摘する論調が目立つ

 中でも話題を集めているのが、かつて構造改革の旗手として規制緩和を推進した中谷巌氏の市場原理主義批判だ。氏は自ら「転向」という立場を表明。グローバル資本主義は格差を拡大し、地球環境を汚染する「モンスター」だという

 氏の論はさらに、小泉内閣になって加速した構造改革により日本社会の良き側面も破壊されたと強調。雇用改革が貧困層を増大させ、医療改革が救急医療難民を生み、日本の安心・安全神話を破壊したとする

 これと対照的なのが小泉内閣で経済財政相などを務めた竹中平蔵氏。朝日新聞とのインタビューで「現実の経済政策は市場や規制緩和が善か悪か、という二分法ですむ単純な話ではない」と反論。さらに「一人一人が勉強して稼ぐ力を身につける自助自立の社会」を力説する

 専門的な論の是非は判断できないが、世界同時不況の荒波の中であらためて痛感するのは、循環を繰り返す経済を制御することの難しさである

 暗いトンネルからいつ抜け出せるのか。先が見えない。信州大教授の真壁昭夫氏が指摘するように、「国内には政治という大きな不安要因が残る」(久高将己)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月24日 
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「費用弁償」庶民感覚に照らし、常識的に考えて・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 県議会で議会や委員会への出席ごとに「交通費」などの名目で議員に支払われる「費用弁償」は、居住地によって支給額が4段階に分かれ、1日当たり8000円~1万6300円(21日付本紙)

 那覇在住が8000円なのには驚いた。加えて、「金額設定の根拠は不明」(議会事務局)とされては、もはやあきれるしかない。報酬の二重取りと批判されても仕方ない

 知り合いの県議は自宅から那覇まで、往復150キロ以上を自家用車通勤。議会が夜間に及ぶと、翌朝の議会に備え、やむなくビジネスホテル泊まりとなる

 その議員は1万5000円の支給を受けているが、「疲労度を考えると高いとは思わない」と話す。加えて「那覇はもらいすぎ。県議全体をひとくくりに見ないでほしい」とも

 福島県矢祭町は議員報酬を月額制から議会への出席ごとに3万円を実費支給する「日当制」に変更。人件費の削減効果が期待できる一方で、この額で十分な議員活動ができるか疑問も残る

 理想論、精神論だけで議員が務まるわけでもなく、霞を食っては生きていけないことも分かる。要は自らが置かれた現状を、庶民感覚に照らしてどう見るかだ。常識的に考えておかしいことは改めていい。費用弁償を定額から交通費の実費支給に見直した自治体もあり、一考に値する。(崎浜秀也)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月23日 
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「経済的な自立」個人・家族の再生、人は確実に生き直せる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 与儀公園にいるホームレスは大嫌い。「弱い人」も嫌い。会社社長として「仕事ができない社員も嫌い」だからクビにした

 逆に、若いサラリーマン時代に会社のお金を使い込んでクビになったこともある。やがて経営する会社が破綻、父親の死後一人だけで継いだいくつもの土地など全財産を失い、親きょうだいとも絶縁状態になった

 今は牧師で、ホームレスを支援するプロミスキーパーズ代表の山内昌良さん(59)の40歳までの人生だ。会社破綻後はバス賃さえなく歩いて帰ったり、家賃が払えず大家さんに鍵を掛けられ自宅から閉め出されたり、ホームレス寸前の生活も経験した

 生き方や価値観が百八十度変わったのは破綻を機にクリスチャンになって
病に苦しむ人たちに接してから。ののしられ、家に上がることも許さなかった親きょうだいに、ひたすら謝り続け、関係修復に17年かかった

 ホームレスに至るまでに、長年の借金やアルコール・ギャンブル依存症などで、人間関係が壊れてしまう人がいる。経済的な自立の過程は同時に個人の再生、家族関係の修復の過程でもある

 家族を傷つけたり、傷ついたりした山内さんが語る自身の過去と今の姿は、等身大で明日への希望を体現している。人は確実に生き直せるというメッセージはどこまでも心強い。(与那嶺一枝)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月22日 
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鮮やかな緑の下に、放置ごみ「不法投棄禁止」の看板も効果なし・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 春分を過ぎてうりづんの季節を迎えた。ほどよい間隔で降る雨が野や畑を潤す。すべてが活気づく、一年で一番いい季節だ

 自転車で南部路を回った。イソヒヨドリはせわしなく飛び回り、パートナー探しのメジロは茂みの中でこぶしをコロコロ回して元気に歌っている。越冬サシバは南風に乗って北へ帰ったのか、ここ二、三日で姿が見えなくなった

 海に面した斜面のコースは、適度なアップダウンやコーナーがあって飽きない。民家が点在し、のどかなたたずまいを見せている。団塊世代の沖縄移住地として人気が高いというのも、うなずける

 そんな雰囲気がぴったりなのだろう、カフェの看板が方々に立って誘うので、勝手に「カフェ街道」と呼んでいる。気分しだいでフラリとわき道へ。海辺に降りて潮風を吸う、陸側へ登れば見晴らしのいいポイントにたどり着く

 だがある日、大里城跡に登った道端の放置ごみに驚いた。空き缶、ペットボトル、レジ袋、洗濯機やテレビの残骸…。役場や警察、墓の主が並べるように立てた「不法投棄禁止」の看板も効果なし

 やんばると違い、南部の緑地は人家が近く里山の風情がある。それだけにごみも捨てられやすいのだろう。でも、目に鮮やかな緑の下に、プラスチック製品が散乱しているなんて想像したくない。(山城興朝)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月21日 
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「誓約書」給食費の未納保護者に、肩身の狭い思いをする子・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 戦後の混乱期、アメリカの救援団体などによる食糧支援が沖縄の学校給食の始まりだった。「ララ物資」「リバック物資」と呼ばれるものだ

 当初はミルクだけ。配布された脱脂粉乳を大きなバケツに入れて、お湯で溶き作ったという。やがてパンが加わり、1962年以降、おかずが付く完全給食へと移行する

 子どもたちの栄養を第一に「食べさせること」を目的にスタートした学校給食だが、食べ物があふれる今の時代においても、正しい食習慣を身に付け、食の安全を学ぶ、重要な役割に変わりはない

 この時期、あちこちの学校から、クラスで1年間、給食を残さず食べました、との「完食達成」のニュースが届く。苦手な人に無理強いするのではなく、互いに助け合って食べるチャレンジ。生徒たちの顔からは、楽しい給食の様子と食べ物を大事にする心、作った人に感謝する心が伝わる

 給食費の未納対策として那覇市教育委員会が、保護者に支払いを約束させる「誓約書」の提出を決めた。財政的な問題は重要だが、そのことで楽しい給食の時間に肩身の狭い思いをする子が出ないか心配だ

 小泉政権以降、市場原理主義に基づいた政策が次々と打ち出される。影響を最も受けているのが教育現場。「心の空腹感」が広がっている。(森田美奈子)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月20日 
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