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知られざる沖縄の窯業史「壺屋焼近代百年のあゆみ」・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 変わる壺屋焼の概念、知られざる沖縄の窯業史―。その展覧会をキャッチコピー風に総括するならこんな具合になろうか

 那覇市壺屋焼物博物館で開催されている同館開館10周年記念特別展「壺屋焼近代百年のあゆみ」。貴重な赤絵の作品が15点も展示されているのが話題。でもそれ以上に衝撃的なのは「これが沖縄の焼き物?」と思う作品が多いことだ

 県工業指導所試作品「芭蕉文蓋物」「ハイビスカス文蓋物」「パパイヤ型壺」などがそれ。戦前、同指導所窯業部初代主任だった金澤武雄(1891~1976)の指導によるものとみられる

 今回の企画展のため学芸員が熊本の金澤家からお借りした物で、これが実に80年ぶりの里帰りということだ。その斬新なデザインに驚かされる。それは島袋常格、島袋常孝といった陶工に継承され、現在もその薫陶を受けた人がいる

 同指導所では、漆器で有名な生駒弘がいるが、金澤についてはあまり知られていない。幻の“紅房の時代”があったと以前この欄で書いたが、同様に陶芸で“金澤の時代”が確実にあったのだ

 では、なぜこのような斬新な焼き物が普及しなかったのか。そこに近代化路線と民芸運動の相克があったことを想像する。今回の企画展は、こうした沖縄窯業史の陰の部分に光をあてる。15日まで。(真久田巧)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月11日 
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