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「空中かちあい弾」ミサイル防衛、空中で弾と弾が激突し迎撃・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「越すに越されぬ田原坂」と歌われた熊本県の田原坂資料館を訪ねたときのこと。「空中かちあい弾」にはわが目を疑った

 空中で弾と弾が激突し、ひしゃげてくっつき、ひと塊になったのが数個展示されている。日本最大の内戦とされる西南戦争の最激戦地だ。官軍だけで1日32万発もの銃弾を撃ち、17昼夜にわたった戦の激しさを物語る物証である

 一見あり得ない話だが、両陣営がにらみ合って銃を撃ちまくれば、弾の空中衝突もあり得ないことはない。だが「ピストルの弾をピストルで撃ち落とす」となれば話は別で、ほとんど不可能に近い

 それほど難しいことなんだと、自国のミサイル防衛(MD)システムの不十分さを「ピストルの弾を撃ち落とす」と例えて言ったのは日本の政府高官だ。あとで麻生首相に厳しく叱責されたようだが、つい漏らした本音であろう

 北朝鮮が「人工衛星」を打ち上げる名目で発射する「テポドン2号」が、失敗して日本の領土に落ちてきたら迎撃は可能か―と、議論がかまびすしい。実際は2段階の迎撃も技術的に困難なようだ

 脅威論が軍拡につながるのは納得できない。かといって物騒なものを飛ばす無神経さも許せない。ここは関係国の圧力で発射を断念させ、天が落ちることを憂えた故事の「杞憂」に終わらせたい。(山城興朝)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月28日 
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