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「移動と表現」芸術、美術、その前に立っても何の感慨も覚えない・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「動かないとネタはつかめない」。ある日の局内会議でそんな言葉が出た。自ら体を移動させないとひらめきも出ないと

 いま、県立博物館・美術館で開かれている同館開館1周年記念展「移動と表現」は美術や美術家にとって移動という行為がどんな意味を持つのかをテーマにしたユニークな展覧会だ。会期も終盤だが、どうしても触れたい作家がいる

 会場出口近くにさりげなく作品が展示されている河原温という作家。あまり話題になっていないが、実は世界的な美術家で県内で見られるのはこれが初めて。今後もそう機会は多くなさそうだ

 話題にならないのは、作品の性格にもよるのだろう。いわゆるコンセプチュアル・アート(概念芸術)と呼ばれるもので、この手の作品が県内で展示されるのもそうあることではない。ただ、手に負えない難解さが特徴ともいえるのだ

 デイト・ペインティング(日付絵画)と呼ばれる作品。画面には何年何月何日と日付が書かれているだけ。その前に立っても何の感慨も覚えないのが普通だろう。でもそこに大きな企みがある

 画面から余計なものをそぎ落とし、テーマそのものさえ無にしてしまう。作家自身もほとんど表に出ない。それでも確実に人間存在が感じられる。現代美術の極致を見ておくいい機会だ。29日まで。(真久田巧)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月18日 
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