人間の尊厳の回復「医療費抑制策」リハビリ180日で回復しなかったら・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]
「あの日を境にしてすべてが変わってしまった。私の人生も、生きる目的も、喜びも、悲しみも、みんなその前とは違ってしまった」。多田富雄さんの『寡黙なる巨人』の冒頭の一文だ
世界的な免疫学者があの日と呼ぶのは、脳梗塞で倒れた2001年のこと。死線をさまよい、右半身まひとなり、言葉を失った。唾を飲み込むことさえできず、よだれが止まらない。暇さえあれば死ぬことばかり考えていた
それがリハビリを始めてから徐々に変わっていったのだという。左手でパソコンが打てるようになると、文章を書いて社会参加できる希望が生まれた
回復に向けて努力するさなかの06年、厚生労働省が打ち出したリハビリの日数制限が、多田さんの身に降りかかる。以来、新聞投稿などを通し医療の問題を告発し続ける
医者から患者の側になって見えた現実だったのだろう。「180日で回復しなかったら死ねというのも同じ」「リハビリは単なる機能回復ではない。人間の尊厳の回復である」と国の政策を厳しく批判する
今、医療現場では、療養病床の削減、後期高齢者医療制度などさまざまな改革が進む。問題は、それら政策が医学的な観点からではなく、医療費抑制策として進められていること。必要な医療によって生じた赤字を無駄とは呼ばない。(森田美奈子)
大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月13日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
世界的な免疫学者があの日と呼ぶのは、脳梗塞で倒れた2001年のこと。死線をさまよい、右半身まひとなり、言葉を失った。唾を飲み込むことさえできず、よだれが止まらない。暇さえあれば死ぬことばかり考えていた
それがリハビリを始めてから徐々に変わっていったのだという。左手でパソコンが打てるようになると、文章を書いて社会参加できる希望が生まれた
回復に向けて努力するさなかの06年、厚生労働省が打ち出したリハビリの日数制限が、多田さんの身に降りかかる。以来、新聞投稿などを通し医療の問題を告発し続ける
医者から患者の側になって見えた現実だったのだろう。「180日で回復しなかったら死ねというのも同じ」「リハビリは単なる機能回復ではない。人間の尊厳の回復である」と国の政策を厳しく批判する
今、医療現場では、療養病床の削減、後期高齢者医療制度などさまざまな改革が進む。問題は、それら政策が医学的な観点からではなく、医療費抑制策として進められていること。必要な医療によって生じた赤字を無駄とは呼ばない。(森田美奈子)
大弦小弦 沖縄タイムス 2009年3月13日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge