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大道あや展「生きる」自由に生を謳歌できる世界こそ平和・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 とても素朴で、懐かしさとぬくもりを感じる絵に出合った。佐喜眞美術館で開催中の大道あや展(13日まで)だ。訪れた日はちょうど彼女の100歳の誕生日だった

 あやさんは丸木位里の妹。花火職人の夫を事故で亡くした後、60歳で絵筆を執った。作品をなかなか手放さない画家として知られるが、兄のそばにいられるならと、位里の大作「沖縄戦の図」が常設されている佐喜眞美術館への収蔵を承諾した

 位里とあやさんの作品はともに、「生きる」というテーマを扱っている。だが、表現方法がまったく違う。陰と陽。戦争で命がすりつぶされていく悔しさを表現した位里に対して、あやさんは表情豊かな動物たちの生を色鮮やかに描く

 彼女は埼玉県越生(おごせ)の小さな山を「けとばし山」と名付け、アザミやドクダミなどの草花を植え、犬や猫、ニワトリたちと暮らした。館長の佐喜眞道夫さんによると、自作の絵本「けとばしやまのいばりんぼ」の世界とそっくりだったという

 広島で被爆したあやさんは、原爆を描かない。躍動感あふれる動物や花を好んで描く理由は、真っ先に見捨てられたり殺されたりする運命にある動物たちが、自由に生を謳歌(おうか)できる世界こそ平和-との信念からだ

 米軍普天間飛行場の一部を返還させてできたこの美術館は、芸術を通して命を考えることができる貴重な空間だ。

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年4月13日 
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