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満員電車は極力避け「自己防衛」証明するのが難しい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 1年が過ぎた東京生活で憂うつになる時間がある。満員電車に揺られる通勤時だ。身に覚えがないのに痴漢と間違えられたら、と常に頭をかすめる

 痴漢行為は卑劣で、被害者には恐怖そのものだろう。一方で、痴漢と間違われて逮捕された人には、これ以上の悲劇もあるまい。被害者の供述が唯一の証拠である場合が多く、自ら潔白を証明するのが難しいからだ

 電車内で女子高校生に痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われた大学教授の上告審判決で、最高裁は懲役1年10月の実刑とした一、二審判決を破棄し、無罪を言い渡した

 判決は、女生徒の不可解な行動などから、「(教授が)犯行を行ったと断定するには、合理的な疑いが残る」と結論付けた。そして、被告が有効な反論が難しい痴漢事件の特徴を指摘し、慎重な判断も求めている

 「同じような汚名に泣いている人を思えば有頂天にはなれない」。判決後、教授はこう感想を漏らした。逮捕から3年。無実の罪で社会的信用を失墜させられた心情を察すると、「悲劇」という言葉しか見つからない

 痴漢事件を扱った下級審では、この10年で30件以上の無罪判決が出ているという。満員電車は極力避け、両手は必ずつり革をつかむ。「自己防衛」に徹してはいるが、憂うつな気分はなかなか晴れない。(稲嶺幸弘)

大弦小弦 沖縄タイムス 2009年4月16日 
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