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「漢字百話」漢字の多様な表現力や奥深い意味にあらためて気づく・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 漢字の成り立ちを広めた故白川静さん(立命館大学名誉教授)は30年ほど前、本来の形を失いつつある漢字の状況を憂えた。漢字をめぐり、白川さんが眉をひそめてしまいそうな事態が起きている

 財団法人・日本漢字能力検定協会が、過剰な収益をあげ、高額の不動産購入が発覚。前理事長らの親族企業が、委託業務を別会社に再委託し35億円の「差益」を得たとの疑惑もある

 漢字検定は、就職・進学に有利とされたことなどから今や270万人が受験し「国民的ブランド」と言われるまでに成長した。自分の能力を高めるために、人は一つでも多くの資格や技術を身につけたいと思う

 一連の“暴走”は、漢字を餌に、受験者の気持ちを食い物にしたもので、看過できない。前理事長らは改善を訴える職員の声に耳を貸さなかったと言う。「公私混同」と「独断専行」も甚だしい

 漢検自体の信用失墜も懸念されるが、パソコンなどの普及で、難しい漢字に接する機会が増え、関心はなお高い。漢字の多様な表現力や奥深い意味にあらためて気づくことも多い

 白川さんは「漢字は、その表現のゆたかな可塑性のゆえに、情報時代のなかで、おそらくいっそう重要な機能を負う」(「漢字百話」中公新書)と記す。この騒動で、漢字の可能性が脅かされてはならない。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年4月20日 
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