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当事者の声に耳を傾ける「教育の場」日常的に学ぶチャンス・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 女性の貧困と雇用をテーマに、東京都で開かれたシンポジウムの記事を読んでドキリとした。聴覚障害のある女性の発言だ

 女性障害者の年間所得は男性障害者のほぼ半分。さらに「女性障害者は家事や育児など女性の役割とされてきたことが担えないため、結婚できないとみなされ『手に職をつけて生きるか、何も期待されないかのどちらかしかない』」

 女性も障害者も、それぞれが雇用形態や賃金、待遇などの問題を抱えている。けれども、障害のある女性が二重に厳しい労働環境に置かれる状況に結びつかなかった。当事者の声に耳を傾ける重要性を改めて認識する

 障害者の雇用率をみると、県内の民間企業は1・69%と過去最多で、13年連続で全国平均の1・59%を上回っている(2008年6月)。ところが、県教育委員会は1・27%と全国41位。厚生労働省から3年連続で勧告を受けている

 県教委は障害者で教員免許を持つ人や選考試験の受験者の少なさなどを理由に挙げつつも、雇用を増やす計画だ。が、積極的に門戸を広げて努力する姿は見えない

 言うまでもなく、法定雇用率達成が強く求められるのは「教育の場」だから。子どもたちが日常的に当事者から学ぶチャンスが増えれば問題への理解が深まり、先の女性の発言も遠い過去になるだろう。(与那嶺一枝)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月7日 
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「おばぁラッパーズ」市場に元気をと頑張る“看板娘”・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 「砂糖代は次に来るときでいいから」。店のおばさんが、帰ろうとするおばあさんに声を掛けている。那覇市の栄町市場で

 平日の昼下がりに通ると、そんな懐かしい会話が聞こえてきた。八百屋さんでは、店員の娘を見た女性客が「あんたいつ子供産んだねー」と大声で驚けば、「あい何でよ、前はおなか大きくしていたさー」などと、屈託がない

 近くのグループホームから、車いすの3人がヘルパーさんと散歩に来て、アジア雑貨の並んだカフェの中を通っていった。人をせかさない空気が包む。路地に流れるBGMは地元ラジオ番組の民謡

 夜は夜で、路地にテーブルが並び、東南アジアの屋台風景さながら。とある居酒屋内の一角を借りて「おばぁラッパーズ」が第二弾への打ち合わせをしていた。市場に元気をと頑張る“看板娘”たち、実は50歳前後だが孫もいる

 リーダーの新城カメーおばぁ。「1回限りで終わるつもりだったけど、町シンカが乗ってきた。協力する人、応援する人がいっぱい出てきた。こうなったら応えられるところまで応えなくちゃと」

 歌詞をめぐるやりとり。しし屋、弁当屋、やーせー(野菜)屋……「いや店の宣伝じゃなくて、かまぶく売って何十年とか人を出そうよ」。気配りも詰まった第二弾は、来月の祭りに登場する。(山城興朝)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月6日 
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切磋琢磨「近畿まほろば総体」高校生アスリートの祭典・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 今年の県高校総合体育大会もほぼ終了した。「高校生アスリートの祭典」と呼ばれるにふさわしい熱戦が、今年も各地で繰り広げられた

 今大会は「来年を見据えた1、2年生の躍進」と「集大成の夏に賭ける3年生の意地」といった構図があったように思える。取材した選手の言葉からも、それが伝わってきた

 2010年の「美ら島沖縄総体」の開催に備え、各競技団体は2005年前後から、開催年に主力となる現在の1、2年生選手の競技力アップを図ってきた。その成果は確実に表れている

 1、2年生を中心に勝ち上がったチームはいくつもある。「先輩は最後だったけど、負けたくなかった」と話す1年生もいた。3年生からは「年下に負けられない」「先輩の力を見せつけたかった」という声も聞いた

 しかし、けして学年間の「対立」ではない。これがプラス方向への相乗効果を生み出し、熱戦へとつながった。ある指導者は「切磋琢磨」と表現した。「沖縄総体に出る後輩の刺激となるような結果を、全国総体で残したい」と決意表明した3年生もいた

 今年の全国総体「近畿まほろば総体」は奈良県内を主会場に、7月28日に開幕する。3年生は最後の夏を、1、2年生は来年に向け、そして敗れ去った3年生の思いも胸に、堂々と戦ってほしい。(船越三樹)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月5日 
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遅咲きだっていいじゃない「夢はでっかく、根はふかく」・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 先日、東京・丸の内にある相田みつを美術館の企画展「夢はでっかく…」を見た。印象に残り、書き留めた「肥料」という詩がある

 〈あのときのあの苦しみも/あのときのあの悲しみも/みんな肥料になったんだなあ/じぶんが自分になるための〉。没後18年経つが、独特の書体による琴線に触れる言葉の力は変わらない

 相田さんには、企画展のタイトルである「夢はでっかく、根はふかく」という作品もあり、こう説いた。夢という大きな花を咲かせるためには、たくさんの汗と涙も「肥料」にして、根を深くしなければいけないのだよと

 夢といえば、英国のスター発掘番組で美声を披露した48歳の「遅咲きの歌姫」が世界中に「夢」をふりまいた。決勝戦では、惜しくも2位だったが、音楽会社と契約を結ぶとみられ、「歌手になる」という夢が叶う

 予選では、あか抜けない外見が審査員らの失笑を買ったが、驚異的な歌唱力で感嘆に変えた。眠れる才能の芽を自ら摘むことなく、世間の偏見も「肥料」にして大輪を咲かせた芯の強さには魅かれてしまう

 夢を追って、もがき、苦しんでいる方もいるだろう。心が折れそうになる時だってある。相田さんの言葉を借りれば、その苦しみも悲しみも、きっと「肥料」になる。遅咲きだっていいじゃない、夢はでっかく、根は深く。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月4日 
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皇帝の血、世が世であれば、龍の爪は5本「墨龍図」・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 那覇市おもろまちの県立博物館・美術館。正面入口から入り左手の壁を見上げると一番高い場所に龍の絵が飾られている

 中国出身の画家、王昭さん(59)の「墨龍図」である。縦4メートル横8メートルの堂々たる大画面。中国歴代皇帝の権力の象徴としての龍と日本人の精神的よりどころとしての富士山が描かれている。でもよく見るといろいろと考えさせる絵だ

 王さんは「世が世であれば」という人だ。清朝最後の皇帝、愛心覚羅溥儀の妹の子にあたる。歴史の大きな転換期に思春期を過ごし、1982年になって日本へ留学、東京芸大で日本画を学ぶ

 師事したのは、日本画の大家で中国を描いた作品も多い平山郁夫。あの周恩来の口添えで留学が実現したという。王さんは満州民族、周恩来は漢民族。革命と民族の壁を超えて若い人材に目をかけた懐の深さが語りぐさになっている

 話は戻って「墨龍図」。歴史的に見ても龍の爪は沖縄では4本。それは中国に敬意をはらう意味がある。さすがに王さんの龍は5本。皇帝の血を継ぐ人だから描ける。問題は龍と富士の大きさ

 画面中央を圧する龍の大きさに比して富士の貧弱さが気になる。日中関係に良くないのではないか。ご本人に聞くと答えがふるっている。「でも富士は上にあるでしょ」。王昭展は同館で28日まで。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月3日 
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永遠に続くと信じられたGMの繁栄「アメ車」の凋落・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 日本でも大ヒットした米映画「アメリカン・グラフィティ」は、1960年代の米西海岸を舞台にした青春群像だ。印象的だったのは劇中に登場する「アメリカ車」。大きく個性的、夢のような豊かさにあこがれた

 米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)の破たんが現実となった。4月のクライスラーに続くビッグスリーの悲劇だ。昭和30年代生まれの筆者には「アメ車」の凋落は、金融の破たんより直接響く

 個人的な思いで言えば、GMのマークは自動車だけでなく、米国の文化も内包しているように見える。前述した映画の中で流れていたオールディーズの名曲も、独特の外観のアメ車とセットで一層輝きを増すように

 永遠に続くと信じられたというGMの繁栄は、米国の繁栄の写し絵でもある。従業員らが実現した郊外の住宅での豊かな生活は、映画やドラマを通し、各国の労働者の理想像ともなった

 GMのつまずきは環境の変化にうまく対応できなかったのが一因といわれる。市場のニーズが小型の低燃費車にシフトしているのに巨人のおごりからか、大型車に頼り続けたことで結果として競争力を強化できなかった

 オバマ政権はGMを実質国有化、再建を支援することで、最悪の事態を回避する方針。病める巨人の姿は米国自身にも重なる。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月2日 
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人生を味わい尽くした清廉さ、たたき上げの自尊心と凄み・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 大女優には人生を味わい尽くした清廉さがある。国民栄誉賞が決まった森光子さんは1961年以来、舞台「放浪記」の主演を2017回続けてきた。代役なしの快挙だ

 森さんの演技を世襲することはできまい。そこに役者の奥深さがあるのだろう。一方、世の中に世襲は多い。政治の世界もまたしかり。歴代首相も、すっかり“家業”の趣。政治屋という商売があるなら、小泉商店、安倍商事、福田物産などと皮肉りたくもなる

 政治家の世襲が批判されて久しい。地盤、看板をそのまま引き継ぐ世襲議員に比べ、新しい人が現れにくい。ゼロからのスタートがハンディとなり、能力があっても狭い扉を開けるのは容易なことではない

 自民党が議員の世襲制限へ動きだした。「世襲=悪」とは言わない。親以上に力を発揮する人もいる。が、今の政治を見ると、閉塞感を打ち破る新しい“血”が待たれる

 政治家には捨て身で国を興す気概とともに、野心や胆力も必要だ。しかし、自民、民主の両党首のみならず、世襲議員はスマートだが線の細さが目立つ。厳しい風雨に打ち勝つ骨太さが感じられない

 森さんは舞台終演後、「若い人を引っ張っていけるよう努力します」と語った。89歳。芸を極める意欲は天井知らず。清廉さの中に、一代きりのたたき上げの自尊心と凄みが漂う。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月1日 
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家事や介護でいらだつ男たちの孤立、改善できない社会・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 好天に恵まれた夏のある日。リハビリの散歩に出掛けるため男性が妻に選んだTシャツはヒマワリがプリントされた、さわやかな絵柄だった

 半身と重度の知的障害が残った妻への丁寧な介護のいったんは、それだけではない。西に傾いた日差しの下、妻に向き合って励ましの声を掛けながら後ずさりに歩く。片手で差す日傘が妻の顔に日陰をつくっていた

 夜中は、トイレへ案内した。飲み会がある日は、途中でこっそり抜け出して自宅に戻り、寝ている妻の肩をたたく。妻が病に伏すまで「一切家事をしない仕事人間だった」男性が生き生きと介護をしていた

 高齢者への虐待報告が2008年度も増えた。被害者の82%は女性で、身体的な虐待が67%を占める。虐待したのは息子が56%、配偶者23%と続く。同居の家族によるものが多く、この傾向は前年度とほとんど変わっていない

 その背景もほぼ同じ。「介護負担による心身のストレス」「失業による経済困難」「高齢者の年金に頼った生活」。家事や介護でいらだつ男たちの孤立する姿が透けて見える

 先の男性は妻への愛情もたっぷりあったが、上手にデイサービスを利用して、厳しく注文を付けていた。虐待を防ぐために整えるべき体制やサービスが分かりながら改善できない社会になっていないだろうか。(与那嶺一枝)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年5月31日 
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