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身内同士のチャンバラごっこ、国民に信を問う「真剣」勝負に挑んでは・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 父親が遺した「宝刀」の相続をめぐり、信濃の国の兄弟が争う話が、江戸期の浮世草子作者、井原西鶴の「西鶴諸国ばなし」にある

 全財産を弟に譲って、刀を手に入れた兄は鑑定士のもとにかけこむ。法外な値がつくと思いきや、実は平凡な「鈍刀」だった。落ち込む息子を老母はこう言って諭す。「切れぬ刀ゆえ、争いごとにも巻き込まれず、一家は繁栄したのだ」と

 「今、刀を抜けば、勝ち目のない争いごとに巻き込まれ、討ち死にしかねない」。先の物語風に言うなら、解散権という「伝家の宝刀」に手をかけた麻生首相に対し、退陣を求める自民党の面々の本音はこうなる

 ただ、当代きっての「人気者」だとして、「宝刀」を委ねたのは、ほんの10カ月前だ。トップに担いだ自身の責任は棚に上げ、わが身可愛さだけで刀を取り上げようと躍起になる様は、滑稽にさえ映る

 対する首相の方も、刀を抜くそぶりは見せつつも、党内の反発を読みかねてか、どうも腰が定らまない。本来、敵(野党)を揺さぶるための「宝刀」が、身内をけん制する道具になっている

 年金や医療、財政など、国の課題は山積みである。身内同士のチャンバラごっこはもう幕引きにして、ここはひとつ、宝刀をスパッと抜き、国民に信を問う「真剣」勝負に挑んではどうですか、麻生さん?(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月2日 
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