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戦争の前は憤怒なり、戦争の中は悲惨なり、戦争の後は滑稽なり・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 戦争が始まれば、国家の元首やその子弟、官僚、戦争に反対しなかった国会議員を最下級兵士として最前線に送り、敵砲火の下で実践に従わしむべし…

 デンマークの陸軍大将フリッツ・ホルムが起草し、他国に送った「戦争絶滅受合法案」の条文だ。第1次世界大戦を終え、再び世の中に「火の気」が漂っていた1929年、ジャーナリストの長谷川如是閑が雑誌に書き、日本国民も知ることとなった

 権力をつかさどる者が、他国との摩擦を極力抑えるためになすべきこと、結果がもたらす重大性や気構えを認識してほしいという教えがあるのだろう

 それから1世紀近く。世界はこの教えに何ら学んでいないようだ。ここ数日、イラクとアフガニスタンで大規模な爆破テロがあり、子どもを含む数十人が犠牲となった。米軍がイラク都市部から撤退し、アフガンに軸足を移す中での惨劇である

 宗教的対立を発端とした争いを武力で解決することはいかにも難しい。住む者だけではなく、武器を持つ若者たちの命にも及ぶ。それぞれの大義の影で悲しみと憎悪だけが増しているのだ

 如是閑が30代のころに書いた警句集にこんな一文がある。「戦争の前は憤怒なり、戦争の中は悲惨なり、戦争の後は滑稽なり」。為政者たちの胸に届けたい示唆に富む言葉である。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月11日 
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