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「トートーメーではないか」整理技術は長年のデザイン感覚が蓄積・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 40年勤め上げた先輩が本社を離れることになり激励会が開かれた。OBを含め気の置けない仲間が集まり笑いが広がった

 「酔っぱらわないうちに」と司会に促されてお礼のあいさつに立った先輩。青春を過ごした飲み屋、酒にまつわる思い出を縷々披瀝したあと「仕事では」と前置きして社会部デスク時代と整理部が最も強く印象に残っていると話した

 話を聞いているうちにその整理部に初めて配属されたころを思い出した。一線の取材記者とはまったく違う技術を要する部署で、仕事を覚えるのに3カ月もかかった。体重は落ち腰痛も患った

 先日、夕方の調整会議(編集会議)でその日の紙面チェックをする際、経済面のレイアウトに指摘が出た。「トートーメーではないか」と。3段や4段の見出しを左右並列に並べることをそう呼んで戒める。いわゆる禁じ手の一つだ

 議論は「読者的には不都合を感じないから許容範囲か」という方向に。紙面を上下二つに分ける「腹切り」も同じ理由で最近では珍しくなくなりつつある。そこである先輩の言葉を思い出した

 「2段以上の見出しは必ず枕を」。トップ以外は紙面の右端に見出しを置くなということだ。整理技術は長年のデザイン感覚が蓄積された文化遺産みたいなもの。それが消えていくのはさびしい。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月8日 
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