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「冬虫夏草」ひるまず有権者の中に飛び込み、声を聞く。それが財産になる・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 生物とはいかにも不思議だ。冬は昆虫の姿を借り、夏になると草に転じる。ずばり「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」と呼ぶ

 虫に寄生する菌類の総称で、胞子が虫の体内で勢力を広げ、ついにはキノコになるという。鎧(よろい)を変じて生き延びる方法を編み出したのは動植物だけではない

 小沢一郎民主党幹事長もその一人ではないか。1993年、「改革」を錦の御旗に自民党を飛び出し、新党を作っては壊してきた。離合集散は世の習いとはいえ、これだけ曲折がある政治家は珍しい

 看板を変えて影響力を維持し、常に権力に近い場所に座してきた。だが、収支報告書虚偽事件は従来ない転機になるかもしれない。検察審査会が下した「起訴相当」の結論は政界にはびこるあしき体質への市民からの警鐘だろう

 法手続きとは別に氏が自らの疑惑への説明を明確にすべきだ。「秘書に任せていた」の一点張りでは国民は納得しない。著書『小沢主義』(集英社)には政治訓として「ひるまず有権者の中に飛び込み、声を聞く。それが財産になる」と記している。まさに今がその時だ

 冬虫夏草は古く中国で不老不シの秘薬に用いられ、現代医学でも使われ始めているという。説明なきまま権力に鎮座することが党や政権にとって「妙薬」か、あるいは「毒薬」か。もちろん国民にとっても。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2010年5月1日 
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