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「風林火山」時機や情勢を見極め、いったん決めたなら、一気に攻めるべき・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 先日、友人らと訪れた長野県上田市の神社で、戦国武将・武田信玄が配下の諸将らに忠誠を誓わせて書かせた「起請文」を見た

 内容は、神仏の前で、信玄への忠誠を誓わせ、もし背けば、どんな神仏の罰も甘んじて受けるとしている。展示された83通の文書には、少し変色した血判が色鮮やかに残り、誓いの重さ、当時の切迫した状況が伝わってくる

 「起請文」には、勢力を広げる武田軍の統制強化の狙いがあったのだという。裏返せば、信玄ほどの名将でも、神仏に頼らなければならないほど、人心の掌握は容易でなかったということなのだろう

 今の時代、信玄の苦労を最も身に染みて感じているのは麻生首相に違いない。「人気者」だからと、トップに担がれたのは今や昔、一緒に戦うと忠誠を誓ったはずの同士らの心は離れる一方である

 漢字の読み違いや失言癖は大目に見たとしても、周囲の意見に惑わされ、右往左往するリーダーの姿は見るに堪えない。急落する支持率の数字には、そんな庶民の視線も映しているのだろう

 信玄は自軍の旗に記した「風林火山」に、戦いに臨む心構えを込めた。現代風にいうなら、時機や情勢を見極め、いったん決めたなら、火のごとく一気に攻めるべきだと。時代は違えど、リーダーに必要な資質は不変なのだと痛感する。(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月9日 
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「トートーメーではないか」整理技術は長年のデザイン感覚が蓄積・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 40年勤め上げた先輩が本社を離れることになり激励会が開かれた。OBを含め気の置けない仲間が集まり笑いが広がった

 「酔っぱらわないうちに」と司会に促されてお礼のあいさつに立った先輩。青春を過ごした飲み屋、酒にまつわる思い出を縷々披瀝したあと「仕事では」と前置きして社会部デスク時代と整理部が最も強く印象に残っていると話した

 話を聞いているうちにその整理部に初めて配属されたころを思い出した。一線の取材記者とはまったく違う技術を要する部署で、仕事を覚えるのに3カ月もかかった。体重は落ち腰痛も患った

 先日、夕方の調整会議(編集会議)でその日の紙面チェックをする際、経済面のレイアウトに指摘が出た。「トートーメーではないか」と。3段や4段の見出しを左右並列に並べることをそう呼んで戒める。いわゆる禁じ手の一つだ

 議論は「読者的には不都合を感じないから許容範囲か」という方向に。紙面を上下二つに分ける「腹切り」も同じ理由で最近では珍しくなくなりつつある。そこである先輩の言葉を思い出した

 「2段以上の見出しは必ず枕を」。トップ以外は紙面の右端に見出しを置くなということだ。整理技術は長年のデザイン感覚が蓄積された文化遺産みたいなもの。それが消えていくのはさびしい。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月8日 
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天の川「知らないことを知るのは大切」銀河の地図を作る・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 七夕といえば天の川。年に一度の恋人たちの再会という話もロマンチックだが、調べてみると天文学的にも興味が尽きず、恥ずかしながらこれまでの勉強不足を補った

 天の川銀河(銀河系)は、膨大な数の星々が円盤状に広がったもので、直径は10万光年。太陽系は中心からやや離れたところに位置し、天の川は銀河の内側から中心部の星の大集団を眺めた姿だという

 想像の域を超えたスケールだが、電波望遠鏡を使ってその銀河の地図を作る計画が、県内で進められているという話にはいささか驚いた。国立天文台VERA石垣島観測局の取り組みだ(本紙6月29日付市町村面)

 計画では岩手県の水沢や東京都の小笠原など四つの観測局の電波望遠鏡で同時に観測。これにより直径2300キロの望遠鏡の性能が実現。その精度は、月の上の1円玉を判別できるほどという

 未知の事象を想像し、仮説を立てて思索を重ねる。人類が築いた文明の原点だろう。大地の恵みを得るため道具を改良し、天空の星や太陽の動きから気象の循環を読み解いて、子孫に伝えてきた

 VERAの計画は、あと10年で立体地図を完成させる予定。そこで凡人は思う。何のための計画か。研究技師いわく「知らないことを知るのは大切」。すべては知的好奇心から始まったのだ。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月7日 
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政治の麻痺「オペラ座の怪人みたい」政党の顔はフリーズ状態・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 数年前、会社近くのラーメン屋でチャーハンを食べていたら、口元からご飯粒がこぼれ落ちた。顔の左半分が動かない。顔面神経麻痺

 笑おうが何しようが顔の左側はピクリともしない。家族は、当時上映されていた映画になぞらえ「オペラ座の怪人みたい」と不思議そう。四十数年連れ添った顔。この時ばかりは愛おしさが募った

 人一人の顔など笑い話にしかならないが、政党の顔ともなれば別だ。自民、民主両党党首はどうだろう。一方は政権投げだしで1年ごとに変わり、片や献金疑惑の継承である

 内閣支持率は低迷を続け、自民党内では麻生降ろしがかまびすしい。民主党の鳩山由紀夫代表の献金虚偽記載は、説明不足で分かりにくいことが多い。次の総選挙で政権交代を見据える同党にとっては不覚の冷や水であろう

 一時は二大政党制を予感させる動きもあったが、最近は互いに付け入るスキを与え失点ばかりが目につく。政党の顔はフリーズ状態だ。国民は政治をあてにしないのではないか、との危惧を抱く

 橋下徹大阪府知事らの動きは永田町への警告にも見える。きのうの那覇市議選、67人の立候補は既成政党拒否の表れか。タレント知事の登場で政治が身近になったのか。新しい顔への期待もあるが政治の麻痺だけはご免こうむる。(平良哲)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月6日 
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働く女性「子どもも、仕事も」育休切りという言葉の冷たい響き・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 育児休業が法制化されていなかったころに出産し、子育てをしながら仕事を続けた「働く女性」の先輩から、苦労話を聞いたことがある

 勤め先の業績が悪化したころ、3人目の子どもを身ごもった。希望退職者を募るとのうわさも耳にする中で、妊娠したことをなかなか言い出せない。膨らみ始めたおなかが目立たぬよう、背を丸めて仕事をしていたという

 その後、各種制度が整備され、働く女性を取り巻く環境は向上した…はずなのに、昨年来の雇用情勢の悪化で、育児休業者らを解雇しようとする動きが全国的に相次いでいる(6月30日付くらし面)

 不況にあえぐ企業の中で、立場の弱い社員が狙われたようだ。「育休切り」という言葉の冷たい響き。わが子を授かり日々育ちゆく喜びを、理不尽な仕打ちがみじんに砕く。突然のことだけに経済的なダメージも大きい

 6月下旬に成立した改正育児・介護休業法は、短時間勤務制度を整備したほか「育休切り」の防止策を講じた。一方でこの不況の中、企業側も必死で生き残りを図り余裕がない

 法の実効性を高めるには、確かな手だてが欲しい。「子どもも、仕事も」を自ら選んだ、または選ばなければ生活できない状況に置かれた女性たちが、背を丸めることなく胸を張って生きていけるように。(奥村敦子)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月5日 
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「どげんかせんといかん」と、ふるさと再生をめざした知事・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 上方落語界で「爆笑王」の異名を取った桂枝雀師匠が世を去ってもう10年になる。風貌と口調がユーモラスなだけでなく、座布団の上ではね回るエネルギッシュな姿が今でも印象深い

 生前、「笑いは緊張の緩和である」と論じた。人は緊張状態から平常に戻るときに笑いが起きるという考え方だ。聴衆との間合いを計りつつ、引きつけておいて落とす。笑いを取る一つの原則にもなっている

 そんな笑いの「ツボ」を熟知し、民意に敏感なことが強みなのか、芸人出身の宮崎県の東国原英夫知事の動向が、世論をにぎわせている。衆院選出馬をめぐる知事の去就だ

 自民党からの出馬要請に「総理のイス」を要求する大胆さには驚かされた。地元の宮崎ではいまだに反対の声が多い。無理もない。「どげんかせんといかん」と、ふるさと再生をめざした知事職を任期途中で投げ出すのは乱暴だ

 ただ、同じ地方に住む側からみれば国と地方の在り方を根本から変えようという氏の試みは同調できる。むしろ「どげんする?」のは自民党のほうだろう

 氏の要求をうのみすれば、派閥中心、蜜月ともいわれる官僚との関係、従来の秩序は崩れる。されど敵に回したくもない。その意味で動向が注目される。枝雀師匠の言葉を借りれば、「どんなんかな~。こんなんかな~」。(石川達也)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月4日 
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何ができて、できないか、どんな支援が必要か、その「個性」は千差万別・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 小3の息子が初めて眼鏡をかけ、バッティングセンターに行ったら、人が変わったようにいい当たりを連発した。「球をよく見て」「バットは短く」なんて素人の知ったかぶりよりも、まずは眼鏡が必要だったのだ

 近視など目が悪いことは不便だが、不幸なことではない。眼鏡をかければすむからだ。「障害」も同じで、不便さを道具やほかの誰かが補ってくれればすむ。何ができて、できないか、どんな支援が必要か、その「個性」は千差万別だ

 右ひじから先がない高校生ボクサー、嘉数翔太君(16)=沖縄尚学高1年=が、日本アマチュアボクシング連盟から公式戦出場に待ったをかけられている(2日付社会面)

 理由は「格闘技であり、危険を伴う」からで、安全面への配慮という。「両腕があることが前提」なので、規則には書いてないけど認められない、とも

 無謀な挑戦ではない。ボクシングを始めて2年。強烈なパンチを浴び、KOされないための技術と肉体を作り続けてきた。家族もジム仲間も認めているのに、一見優しい「配慮」が嘉数君を苦しめている

 記事には「隻腕」とあるが、写真と本紙ウェブ動画では、素早く攻守に動く少し短い個性的な右腕を見ることができる。目標の全国高校チャンピオンを、いつかその腕でつかみ取ってほしい。(平良秀明)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月3日 
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身内同士のチャンバラごっこ、国民に信を問う「真剣」勝負に挑んでは・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 父親が遺した「宝刀」の相続をめぐり、信濃の国の兄弟が争う話が、江戸期の浮世草子作者、井原西鶴の「西鶴諸国ばなし」にある

 全財産を弟に譲って、刀を手に入れた兄は鑑定士のもとにかけこむ。法外な値がつくと思いきや、実は平凡な「鈍刀」だった。落ち込む息子を老母はこう言って諭す。「切れぬ刀ゆえ、争いごとにも巻き込まれず、一家は繁栄したのだ」と

 「今、刀を抜けば、勝ち目のない争いごとに巻き込まれ、討ち死にしかねない」。先の物語風に言うなら、解散権という「伝家の宝刀」に手をかけた麻生首相に対し、退陣を求める自民党の面々の本音はこうなる

 ただ、当代きっての「人気者」だとして、「宝刀」を委ねたのは、ほんの10カ月前だ。トップに担いだ自身の責任は棚に上げ、わが身可愛さだけで刀を取り上げようと躍起になる様は、滑稽にさえ映る

 対する首相の方も、刀を抜くそぶりは見せつつも、党内の反発を読みかねてか、どうも腰が定らまない。本来、敵(野党)を揺さぶるための「宝刀」が、身内をけん制する道具になっている

 年金や医療、財政など、国の課題は山積みである。身内同士のチャンバラごっこはもう幕引きにして、ここはひとつ、宝刀をスパッと抜き、国民に信を問う「真剣」勝負に挑んではどうですか、麻生さん?(稲嶺幸弘)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月2日 
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原点に返って「創刊記念日」新聞製作の技術革新は著しく進んで・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 きょうの文化面に作家の大城立裕さんがエッセーを寄せている。県立美術館で開催された金城安太郎の挿絵展をめぐって

 戦後の混乱も落ち着きだした1950年代の沖縄で人気を博した新聞連載小説の挿絵にまつわる逸話は実に興味深い。制作者は、それぞれ戦後の美術復興を担った画家ばかり。貴重な裏話をよく記憶しておられたものだと感謝したい

 先日、外部からの依頼で本社資料室で調べ物をした。日付がはっきりしない記事ほど探しにくいものはない。2日がかりでやっと見つけた。そのコピーを読んでいて感慨深い思いにさせられた

 それは文化面に載ったある座談会の記事だった。著名な芸術家が来県したのを機に2人の若手研究者を起用して質問攻めにしている。内容の面白さもさることながら、その行間から伝わるのは担当記者のあふれるような情熱であった

 筆者が入社したのは30年前。3時間だけ校閲部に配属された。まだ、鉛の活版の時代。文選工がピンセットで拾い出して組んだ活字の列に自分でインクを塗り、小ゲラを作って目を通していた

 30年で新聞製作の技術革新は著しく進んだ。一方で記者自身の嗅覚や情熱はどうなのか。古い新聞にはそうした技術をしのぐ勢いが感じられる。きょうは創刊記念日。原点に返って問い直したい。(真久田巧)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年7月1日 
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「皆既日食」自然からの最大のメッセージを五感で体感してほしい・・・ 大弦小弦 八葉蓮華 [大弦小弦]

 見上げる空に思いをはせたのは、遠い日の記憶。澄みわたる青空に遠い国を思い、雲の形の不思議さに時を忘れた。夜空の星には光の旅路を想像し、暗黒の果てに思いを巡らせた

 7月22日、日本国内では46年ぶりに皆既日食が見られる。太陽が完全に月に隠れる「皆既帯」になるのは、トカラ列島や奄美大島などだが、沖縄県内でもほぼそれに近い状態が見られるという

 皆既日食の間、地上は温度が下がり、夜のように薄暗くなる。鳥は鳴き出し、巣に戻り始めたりもするらしい。圧倒的な天体ショーゆえに、一度体験すると、とりこになる「日食病」なる言葉もあるようだ

 宇宙飛行士の毛利衛さんも皆既日食が人生に大きな影響を与えた。15歳のとき北海道で見たことが「科学者になる一番のきっかけになった」という。そして「自然からの最大のメッセージを五感で体感してほしい」と話す

 でも観察には注意も必要だ。太陽を肉眼で見たり、太陽に向けて望遠鏡を見たりしては危険だ。観察用メガネを用意するなど、安全な方法を事前に調べておくことも欠かせない

 今年は「世界天文年」でもある。皆既日食を次に日本で見られるのは26年後の2035年。今回見逃す手はない。すっかりさび付いた好奇心を磨き直しながら、その日を待つことにしよう。(久高将己)

 大弦小弦 沖縄タイムス 2009年6月30日 
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